Cataratas

Foz do Iguacu の街
空港からイグアス市内へはバスで30分ほどの距離だった。大きなビルはないけど、至る所にホテルやショッピングストリートのある大きな街だった。さすがにブラジルでも有数の観光都市であり、世界最大の滝イグアスの拠点となる街である。
僕はバスターミナルから5分ぐらい歩いたところにあるホテルに入った。ベッドに横になって、腕時計を見ると、もう午後3時を過ぎていた。今から滝に行っても中途半端なので、その日は行かず、洗濯したり、街をブラブラするだけにして、疲れをとって、明日に備えることにした。
夕食は、ブラジルの名物料理「シェラスコ」を食べに行くことにした。シェラスコとは、ブラジル風の焼き肉のこと、炭火で丸焼きにした牛肉のいろんな部分を目の前でスライスして、サーブしてくれるというものだ。ロンリープラネットを見て、ここがベストだろうというシェラスコ店「Bufalo Branco」を訪ねた。夕方6時の開店と同時に入店すると、客は僕たち二人だけだった。壁にはイグアスの滝の写真が大きく飾ってあり、落ち着いた高級感にあふれた店内、客席は200以上ぐらいあるだろう。一瞬、ミスったと思った。どう考えても、この雰囲気に僕たち二人は不釣り合いだったからだ。

シェラスコを食べるゆうさん
「もうだめだ。食べられへんわぁ。」
いくら肉好きの僕といえども、こんなセリフを口にしてしまった。やむを得ず、給仕に「ストップ、フィニッシュ!」とお願いした。すると、とても驚いた表情を浮かべていた。「なんなんや、こいつら、こんなうまい肉をこれっぽっちしか食えんのか!」とでも言いたそうな雰囲気。ブラジル人だったら軽く食べてしまうのかもしれない。最後に、サラダバーにあったプリンとフルーツは食べて、チェックしてもらった。
はっきり言って、覚悟していた。イグアスでも有数のシェラスコ店であるこの店で、ビールもいっぱい飲んで、肉もたらふく食べた。日本だったら、軽く1万円は覚悟しなければならないだろう。
ところが!
「えっ、これだけ?」
僕は思わず目を疑った。二人で日本円に換算して、2千円ほどの値段。安い!安すぎる。こんなに安いのなら、毎日シェラスコを食べておくべきだった。

イグアスの滝へ
「You are first!」
入口でチケットを渡すと、そう言われた。僕が今日の1番乗り!とても気分がいい。入場すると、目の前に止まっていた2階建てのバスに乗り込んだ。滝まではバスで連れて行ってくれる。ポルトガル語とスペイン語、英語のアナウンス・テープが交互に流れながら、バスは静かな森をゆっくりと走り抜けていく。珍しい鳥や蝶が飛んでいるのが見えたりして、とても素敵なドライブだ。10分ほどで、バスは上品なピンク色のホテル「Cataratas」の前で停車した。
急いで、バスを降りると、「ゴゴゴォォー」という重低音が自然と耳に入ってくる。僕は、すぐに背負っていたバックを下ろし、カメラを取り出して、25mmの広角レンズを取り付けた。僕はカメラを持って、少し小走りに、階段を降りた。ついに念願のイグアスと対面だ!!