FUNKY MONKEY TRAVELERS

AURORA TOUR 1995 07 -アラスカ旅行記旅行記-

7.Denali

マッキンリー山セスナは大きく旋回し、北へと向かう。下界はどこも白い雪と黒い木のモノクロな風景が続いていた。20分ほど飛行していると、前方に、真っ白な雪山が現われた。3000~4000m以上はあるかもしれない、セスナからでもその高さを認識できる。日本で見る山の形とは明らかに違う、鋭く切り立った黒い山肌には、所々に雪がへばりついていた。山頂から日陰となる山腹にかけては、大きな氷の塊がどっしりと載っていた。

憧れのマッキンリー

憧れのマッキンリー


セスナは奥へ奥へと進んでいった。もうそこは”Denali National Park”とよばれるエリアに入っていた。5000m級の山々が点在するこのエリアは、四国とほぼ同じ面積に匹敵し、さまざまな野生動物が生息する世界でも最大級の国立公園の一つである。このエリアに6194mのマッキンリー山が存在する。今までよりもかなり山の位置が高くなっていた。セスナとほぼ同レベルの高さ。直下には大きな氷河。セスナは氷河の真上を飛行しているようだ。それはまさに氷河という言葉がピッタリだった。川幅が3キロは裕にあるだろうか? いくつもの山と山との間を巨大な氷河が流れている。もしかしたら、この大きな山でさえ飲み込んでしまうかもしれないような、そんな氷河だった。しばらくして、前方に一際大きな山が出現した。すると、パイロット氏が僕の肩を叩いた。
美しい氷河 「○×△☆・・?」
プロペラの轟音で何を言っているのか全くわからなかった。しかし、僕は予想していた。

「マッキンリー?」

パイロット氏に大声で叫ぶと、彼は大きく頷いた。

「これがマッキンリーか・・」

デナリからながれる氷河

デナリからながれる氷河

あの植村直己でさえ命を落とした山。冬にはマイナス60度、瞬間風速は秒速80mを上回るという過酷な自然環境。冬季のマッキンリー登頂は、世界でもっとも難しいとされている。その6194mの山は神の如く、僕たちのセスナを上から見下ろしていた。すごい存在感だった。ふもとから山頂までの標高差が5500mもある。山の高感度としてはエベレストをもはるかに凌ぐ、世界一の大きな山なのだ。僕は何度もカメラのシャッターを切った。マッキンリー山はどちらかというと鋭角的な山ではなく、全体的に大きく、どっしりとした山だ。人間にたとえるならば、大相撲の横綱のようなものだ。普通の人間では到底かないそうにない感じがした。

こうして、セスナ・フライトは無事に終わった。
後は帰国するだけだったのに・・・