FUNKY MONKEY TRAVELERS

AURORA TOUR 1995 05 -アラスカ旅行記旅行記-

5.Fantasy

翌朝、フェアバンクスに戻った。4人で博物館に行ったりして時間をつぶした。アラスカ大学の博物館には、オーロラのビデオや氷河期のマンモスの骨などがあり、アラスカの自然の雄大さを改めて感じることが出来る。
夜になって、再びスキーランドへのオーロラ観測ツアーに参加した。といっても、客は僕一人だが・・ 先日、ここを訪れた時には全くオーロラは見えなかった。だから、今回はなんとしても見たかった。
ロッジで待っていると、大勢の日本人観光客がやって来た。20人ぐらいだろうか。まるで日本に居るみたい。
しばらく、部屋の中と外を行ったり来たりしていると、お目当てのオーロラが現れた。昨日見たオーロラよりもずっと巨大なカーテン状のものだった。しかも色は、イエローとレッドで、すごくきれい。ゆっくりと形を変え、ロッジを囲むように輝いていた。「光のカーテン」とは、まさにピッタリの言葉だった。手を伸ばせばすぐそこにありそうな・・ それほど近い距離だった。僕はカメラを持って、ロッジの周りを歩き回り、写真を撮った。
20分程度、外でオーロラを見てから、ロッジに戻り休憩、これを繰り返し、体が冷えすぎないように気をつけた。外気温はマイナス30度を差していた。耳がかなり冷たい。

深夜1時ごろになって、空を眺めていると、オーロラが急変した。突然、光の塊がオーロラカーテンの裾野から現れ、速いスピードで動いている。ロッジの中に居た観光客の人たちも突然の展開に慌てて外に出てきた。
それはまるで、光のFANTASYだった。大げさに思われるかもしれないが事実だ。レーザー光線と花火が一緒になったようなオーロラのスペクタクル。いくつものカーテンが重なり、なびかせていた。徐々に動くスピードも早くなっていく。僕はカメラを構え、レリーズしようとしたが、ちょうどフィルム切れ。その時、あせってしまったのか、巻き戻しをしていないのに、カメラの裏蓋を開けてしまった。「しまった」と思ったときはもう遅かった。そんなことをしている間にも、オーロラは激しく変化していった。思わず、みんなで歓声を上げる。
「うわー!すごい!すごい!」
観客からは拍手が巻き起こった。僕も「なんじゃこりゃ!」(関西弁)と叫んでいた。カメラにフィルムを詰めることも出来なかった。一秒たりとも見逃せなかった。周りが明るくなるほどの明るさ。ここまですごいものだとは想像していなかった。
ガイドのジムも”WONDERFUL!”と驚いていた。彼も今までこんなにすごいオーロラを見たことがないらしい。
美しいオーロラ「今年で一番のオーロラだよ」と彼も興奮していた。
この光のショーは5分ぐらいのものだった。結局、一番いい時期の写真は一枚も撮れず、それ以前に撮影していた36枚の写真も大半が駄目になってしまった。ちょっとショックだったが、仕方が無かった。この感動は写真では伝えられない。観たものだけが知る。

放射線状のオーロラ

放射状のオーロラ(ノースウッドロッジにて)


ノースウッドロッジに戻ってからも、オーロラは数分おきにその姿を現した。さすがにオーロラの町だ。眠気も覚めるオーロラショーだった。この感動は、一生僕の胸に焼き付くことだろう。そして、もう二度とこれ以上のオーロラを見ることはないだろうと思った。