1.先端恐怖にウズウズ
意外にもウズベキスタン航空は快適だった。機体は古そうだが、シートは立派なものだし、料理もそこそこイケてる。なによりも関西空港からタシケントまでわずか8時間でシルクロードの国に行けるというのは魅力的ではないだろうか。ただ、最近アフリカ・南米と旅行してきた僕たちにとっては、すこし物足りないほど快適な空の旅だった。
あっという間に、首都タシケントに到着。空港内の両替商でドルを少額替えると、とんでもない高いレートで変えてもらえた。急速にインフレ化が進んでいる様子で、旅前に得ていた情報とは全然違う。ウズベキスタン国内では闇両替が盛んに行われていたみたいだが、僕の場合、旅行中にそんな申し出には一切あわず、普通の両替商や銀行でチェンジしても適正な両替が出来た。ただ、支払いはほぼドルを要求されるし、余り両替する必要がない。

冷えたビールを飲むゆうさん
さて、今回のルートであるが、ウズベキスタンという国は世界遺産が多い国ではあるが、旅するルートは限られている。ウズベキスタンの「西→東」ルートor「東→西」ルートのどちらかである。僕たちは、飛行機でウルゲンチに飛び、そこからヒヴァ→ブハラ→サマルカンド→タシケントへ帰ってくる「西→東」ルートを採用した。みんなルートや行く場所は同じだから、同期間に旅している人はどこかで出会う確率が非常に高い。
飛行機がウルゲンチに着いたのは夜9時過ぎ。案の定、空港は超田舎で、まわりには何もない、小さな駅舎のような空港だった。ただ、出口ゲート付近には大勢の迎えの人やタクシーの客引きで溢れかえっていた。日本人旅行者はたくさんいたが、それでも日本人はよく目立ち、良く狙われる。僕たちもタクシーの客引きに捕まえられ、彼に言われるがまま薦められたホテルにチェックインした。外観とレセプションは一見ゴージャスそうだが、客室は旧ソ連という感じで、カビ臭かった。が、爆睡してしまった。
翌朝タクシーでヒヴァに向かった。昨日と同じタクシーの運転手は、右も左もわからない僕たちを、路地をくねくね曲がり、ヒヴァの馴染みのホテルに連れて行った。まあ、中庭があって、それなりに綺麗だし、地球の歩き方に載っているホテルよりも安い。客室もそこそこきれいだった。でも、そこには、思ってもみないサプライズが待ち受けていた。

フッジャ・ミナレット
ヒヴァで一番高い塔「フッジャ・ミナレット」
それが目の前にあった。
先端恐怖症の人なら目を背けるかも知れないほど鋭くて、魅力的。もう我慢できなかった。僕はもう目の前のミナレットに登りたくてウズウズしてきた。