FUNKY MONKEY TRAVELERS

ウルルン雲南省09 -中国・雲南省旅行記-

9.これって癒し系

バスで寧浪(ニンラン)に戻り、チケットカウンターで昆明行きのバスチケットを買った。1日1本しかないという長距離バスは、13時に出発し、翌朝の8時に首都昆明に到着する。約19時間の長い長いバスの旅である。僕は出発まで、寧浪の街をブラブラしながら、水や果物を調達して回った。秘境の大都会という感じの寧浪の街だが、中心となる大通りはまだ舗装もされておらず、行き交う車やバイクが砂煙を上げていた。それに昆明とかと少し違うのは。民族衣装を着た女性達が道ばたに商品を広げて商売していることだった。僕は小さな料理屋で、茶わん一杯にワンタンがたっぷり入ったスープを平らげ、腹ごしらえをした。
13時、再び寝台バスSleeperに乗り込んだ。座席(ベッド)は一番先頭の下で、ちょうどドライバーの後ろの席だった。運良く、というか、外国人だったからなのかもしれないが、相席する人はなく、一人でベッドを占領することができた。しかし、僕の席は、無理矢理詰め込んだような配置になっていて、頭の上のスペースがちょうど後席に奪われて、非常に狭く、横になって頭を上げることはできない。僕は寝たままの狭苦しい体制で、19時間のバスライフを過ごさなければならなかった。
バスは行きと同じ険しい山道が続き、バスは右へ左へと思い車体を振った。乗り心地は最悪。でも、乗るしかないし、降りれない。数度トイレ休憩と夕食をとったが、後はひたすら走り続けた。
狭苦しいベッドにもかかわらず、僕は熟睡してしまった。気が付くと、窓の外はすっかり夜が更けて、明るくなっていた。故障することも、時間に遅れることもなく、無事昆明に到着することができそうだ。ベッドが堅いからかもしれないが、背中は少し痛い。でも、予定通りの飛行機に乗って、帰国することができそうで、ホッとした。無理を言って、年末休んだんだし、年始ぐらいちゃんと行かないと。

昆明の空は快晴だった。バスを降り、荷物を背負って、宿泊していたホテル界隈の喫茶に入って、朝食を食べた。1週間前に2日間ほど居ただけの街なのに、なんとなく落ち着く。でも、こうして、ゆっくりと朝食をとっている時間ですら、もうわずかで、まもなく忙しい国=日本に戻らなければならない。そう思うと、すこし寂しい。

今回は、最近の秘境の旅から少し離れて、癒しを求める旅だった。でも、一端旅に出てしまうと、どうしても過激な方向へベクトルが向いてしまい、秘境へと自然に吸い寄せられてしまった。かなりハードな旅だったし、体力的な癒しには全然なっていない。でも、雲南省で、美しい山々や町並み、優しい人の心に触れ、日本で溜まっていたストレスなんて、どこかに飛んでいってしまった。美しい風景や人の温かさの前では、僕のストレスなんて全然意味がない。雲南省を旅していく中で、僕の心は完全に癒されていった。

空港で適当に土産を買ってから、僕は関空行きの飛行機に乗り込んだ。帰りは、ビジネスシートには恵まれなかったが、充分満足。4時間程で関西空港に到着した。