FUNKY MONKEY TRAVELERS

ウルルン雲南省06 -中国・雲南省旅行記-

6.誤算

翌日、朝早く起きて、早朝の麗江を散策して回った。朝は観光客も少なく、本当の人々の暮らしをつぶさに見てまわることができるので、それに朝日を浴びて、輝く街並みはとても美しく、写真を撮る上でも朝の撮影は基本中の基本だ。お陰でいい写真が撮れたと思う。
2時間ほどブラブラとしてから、宿に戻って朝食を食べ、麗江の北に位置する白沙の村に行くことにした。なんでも麗江の街の北に位置するマーケットの横から白バスが出ていて、たった2元で白沙に行けるというので、宿のお姉さんにそこまで案内してもらった。大勢の人で活気のあるエリアに幌を被せた数台の軽トラックが並んでいた。その中から白沙行きの軽トラを探してくれた。
荷台を改造した軽トラックは市民の足になっている様で、麗江近郊であれば、この軽トラを屈指すれば、どこでも行けてしまいそうだ。
軽トラに揺られ、素朴な風景を眺めながら走っていると、徐々に玉龍雪山を擁する山々が大きく見えてきて、やがて、小さな村落に到着した。どうやらそこが白沙の街らしかった。明清王朝の時には、麗江の政治文化の中心地として栄華を誇ったその村も、今はひっそりとした静かな農村に過ぎないように見えた。ただ、建物は昔の面影を残しているようで、所々に立派な門や仏教関係の寺を見ることができた。

白沙の村

白沙の村

僕はとりあえず、ブラブラと写真をとりながら街を散策した。特筆すべき見所は特にないけど、なんかいい雰囲気を持った街だった。それに玉龍雪山がとても美しく見ることができる。う~ん、いい感じだぁとものおもいに耽っていると、村のあるじいさんと目が合い、そのじいさんが愛想良さそうに僕を手招きしてくれた。うん?? なんか言葉は通じないけど、家に来いと言っているように思える。「とりあえず、いっとくか!」僕も愛想笑いをしながら、じいさんの後について歩いた。

演奏するおじいさん

演奏するおじいさん

大きな門を開けると、いかにも旧家という感じの雰囲気のある屋敷で、中庭には多くの花や盆栽が植えられていた。どうやら、じいさんは伝統音楽の演奏者らしく、自慢げに各地にコンサートに行ったときの写真を見せてくれた。そういう職種のせいだろう、外国人を家によく呼ぶらしく、欧米人や日本人と一緒に撮った写真や日本の雑誌も家においてあった。昼時だったので、昼食を御馳走になり、酒も飲まされた。ほとんど会話は成立しなかったけど、僕は笑顔で感謝の気持ちを表現した。

白砂の壁画

白砂の壁画

それから、有名な白砂壁画を見に行った。昔、この地を支配していた木氏土司という豪族がナシ族、漢族、ペー族、チベット族の画家に描かせたもので、それぞれ描いた民族によって、絵の作風が異なっている。まあ、どれも宗教的な壁画で、独特な色使いは中国的だが、仏教国である日本では、よく見る構図の壁画だった。その一角に数人のナシ族の女性が音楽を流しながら、民族ダンスを踊っていた。それは当然、お金を払って、踊ってもらう見世物なんだけど、とっても純朴そうな女性ばかりで、踊っている様はとても幸せそうだった。すこしお金を払っただけなのに、僕の周りを何周も踊って周ってくれた。

白沙の村で一緒に踊らされる

一緒に踊らされる


麗江に戻ると、午後3時。ちょうど手持ちの中国元が少なくなってきたので、両替するために銀行に向かった。しかし、どこの銀行も既に閉まっていて、両替できない。数軒あたってみたが、どこもダメだった。実は、その日は12月31日の大晦日で、通常の営業時間よりも早く金融機関は営業を終えていたのだ。このことが本当に誤算だった。麗江には銀行以外に両替屋のようなものがなく、ホテルでも宿泊客でなければ両替してもらえなかった。当然、僕の泊まっている安宿では、両替なんてしてもらえない。
「まあ、なんとかなるだろ。」と安易に考えていたが、このことが後になってちょっとしたトラブルの原因となるのだった。
次に僕が目指す濾沽湖「ユグフ」という湖は想像以上に遠い秘境だったのだ。