FUNKY MONKEY TRAVELERS

ウルルン雲南省03 -中国・雲南省旅行記-

3.My Sweet Dali

目が覚めると、バスはとっくの昔に大理のバスターミナルに到着していたようだった。同床だった中国人青年も居なかったし、客の半数近くは降りて、どこかに行ってしまっていた。ただ、まだ半数はそのままバスの中で横になり、迎えが来るのでも待っているようだった。横になったまま、腕時計を眺めると、朝の7時を過ぎていた。疲れていたため、寒く狭い車内でも熟睡していて、到着したことも気がつかなかった。僕はゆっくりと起き上がり、寝袋を畳んで荷物をまとめ、バスを降りた。空気は冷たく、吐く息も白い。それなりの大都会にあるバスターミナルには20台ほどの大型バスが並んでいて、朝早くにもかかわらず、それなりの活気を帯びていた。近くの食堂で、朝食を食べ、観光の中心地である大理古城に向かった。僕はそれまで知らなかったのだが、「大理行き」バスの大理とは、下関というニュータウンのことを指し、観光スポットとして有名な「大理古城」は、下関から車で30分程の距離のところにあるらしい。初めから充分に勉強しておけば、昆明から直接「大理古城」行きのバスに乗ったのかもしれない。でも、大理古城行きは圧倒的に本数が少ないらしい。とりあえず、ローカルバスを待つのも、めんどうだったので、タクシーを拾って、大理古城へ向かった。

大理古城の街並み

大理古城の街並み

大理は巨大な城壁に囲まれた城下町。西には、4000m級の山々が南北に連なり、東には、美しい大きな湖がある。また、城内は、南北にある城門を結ぶように大通りがあり、その大通りを中心にして碁盤の目状に、美しい街並みが続いている。まさに風光明媚な旅情溢れる街だった。僕は、中心部から少し離れた静かな場所に部屋を借り、荷物を置くとすぐに、街へ出かけた。
街は朝の買い物で賑わっていた。アジアの国々に共通する朝市での雰囲気はとっても好きだ。民族衣装を着た住民が商売に励んでいた。ブラブラと街中を歩いていると、一人の青年が「船に乗って、湖に行かないか」と声をかけてきた。?海(ジカイ)という大きな湖を船で遊覧し、湖に点在する島々を巡るらしい。初めから遊覧船には乗るつもりだったので、探す手間が省けたよという感じで、即決した。ただし、僕以外に同乗する観光客を集めることが出来なかったらしく、20人ぐらい乗れそうな遊覧船は僕一人だけ、つまり貸切。その分、当初の金額よりも高くはなったけど、貸切だし、僕の行きたいところに行ってくれる。僕は船長になったと思えば、安いもんさ。
船に乗って

船に乗って

中国的な装飾のある船に乗って、海遊覧に出発した。空は快晴で、湖は広く・青く・美しい。船首に立ち美しい景色をボッーと眺める。船上からは、大理の有名な3塔と町並みが見え、そのバックには白い万年雪を頂く山々「蒼山(そうざん)」が、その字の如く蒼く聳えていた。何となくその風景が、僕がよく行く長野県の諏訪湖に似ていて、妙に懐かしい感じがした。風は冷たいけど、それが気持ちよかったりもする。

三道茶を飲む

三道茶を飲む

しばらしくして対岸にある観音閣という寺院に到着した。観光客で賑わう有名なスポットらしく、立派な三重の塔が立ち、ペー族という美しい民族衣装を着た女の子が至る所にいる。雲南省は少数民族の多い場所として有名だけど、こういう民族衣装らしい服装の女の子に会うととても嬉しいものだ。一通り見物し終わると、ペー族の女の子に誘われるがままに、三道茶を飲ませてもらった。三道茶とは、3種類のお茶を順番に出し、客をもてなすというペー族独特のもてなしのお茶だ。1杯目は?茶という苦いお茶で、2杯目は甜茶というクルミと砂糖の入った甘いお茶、そして最後が回味茶という蜂蜜、山椒、生姜などが入ったお茶で、この3杯を次々と飲んでいくと本当に体が温まるし、美味しい。

次に、金梭島という小さな島に上陸した。そこには、小さな島ながらの古き良き街並みと人々の暮らしが残っていた。船着場には、海鮮物の屋台が軒を連ね、そこで、子えび、穴子、貝を焼いたものを食べる。炭火でじっくりと焼いた品々は予想以上に美味かった。ちなみに外人の観光客はジャガイモばかり食べていた。やっぱり日本人だから大丈夫なのかなぁ。

ロバ車に乗って

ロバ車に乗って

湖の遊覧を終えて、僕はロバ馬車に乗せてもらって、大理で最も有名な観光スポットである三塔にむかった。まず、三塔が池に映しだされて見える三塔倒影公園でその全体像を写真に収めた。比較的静かな公園で、池に映し出される三塔はとっても絵になる。その後、向かったそのものである崇聖寺三塔は、数十台もの大型観光バスが駐車場に停まっていて、多くの観光客と土産物屋で賑わっていた。その人の多さには少々圧倒された。主塔の高さは約70mもあり、確かに立派な仏塔なんだけど、ここまで観光地として賑わっていると気分が少し萎えてしまう。さっさと見るものは見て、外に出た。
菜の花が美しい

菜の花が美しい

三塔の入口の前には、畑が広がっていて、あてもなくブラブラと畑の中を歩いた。そこで緑の畑の真ん中に黄色に輝く菜の花畑を見つけた。雲南省というイメージにピッタリの花、菜の花。寺や街並みもきれいだけど、こういう自然が作り出す何気ない美しさにはかなわない。いずれ、大理もユネスコの世界遺産に登録され、今以上の観光客が訪れる町になるだろう。でも、そうなっても、いつまでも変わらない、菜の花の咲く町であってほしい。心からそう願った。