2.Takeing a sleeper
龍門石窟からはバスに乗って昆明まで戻った。昆明に着くと、辺りはすっかり日が暮れていた。しかし、昆明の街は眠りそうにも無かった。大通りの照明は明々と灯り、車の騒音は昼以上にうるさく感じた。夜の町をテクテクと歩いていると、なんだか急に腹が減ってきた。そういえば、JASの機内食を食べたっきりだったし、あれは昼食というよりも軽食に近い食事だった。すぐに目に付いた街角の食堂に入ってみた。他の客が食べている坦坦麺とピーマンと肉の炒め物を指差し、「これ、これ」と注文した。出てきた中国料理は初めはとても上手く感じたが、やっぱりスパイシーで、汗がドッと出てくる。汗を拭き、お茶を飲みながら何とか食べた。これだけ食べて、10元もしなかった。
翌朝、大理行きのバスチケットを求め、ホテルから歩いて、昨日空港バスから降りたバスターミナルに向かった。入口には、10人以上の客引きが客の争奪戦を繰り広げていた。僕が入口付近にやって来ると、いろんなところから「大理?」、「麗江?」という声が飛び込んでくる。とりあえず、事前に用意しておいた「大理 Sleeper」と書いた紙の端切れを客引きたちに見せると、一人の女の人が僕を引っ張って、一台のバスの前に連れて行ってくれた。ターミナルは30台ほどのバスでびっしりと埋め尽くされ、どのバスにもフロントガラスのところに漢字で目的地が書かれてあった。18時発の大理行き寝台バスのチケットを買って、一旦、ホテルに戻ってチェックアウトを済まし、荷物だけをホテルに置いて、観光に出かけた。

曇華寺

曇華寺で麻雀をする人たち
坦坦麺に餃子という組み合わせで昼食を済ませ、次に向かったのは、円通禅寺という昆明で最も人々に親しまれているお寺。昆明の中心地の近くに位置し、唐代に創建されたらしい。入口近くの店で、おばあさんに薦められ線香を2束も買い、入口で入場料を払って、境内に入った。入るとすぐに、大きな瓦屋根のある南門があり、その向こう側に本殿が見える。両脇に鉢植えの並べられた山道を歩いていくと、池に囲まれた六角形の本殿が見えてくる。大きな池の手前では、ろうそくや線香に火を点けて拝む人達がいる。オレンジ色の屋根瓦と赤い柱、それに丁寧に施された彫刻は、如何にも中国的なものであり、僕の目からは沖縄的にも見えた。僕も先ほど買った線香に火を点けて、お供えをし、今回の旅の成功を祈った。それから、ぶらぶらと動物園や公園でゆっくりと時間を過ごし、出発までの時間を潰した。

円通禅寺でお祈りする人たち

寝台バスで出発
結局、予定より2時間遅れで、バスは大理に向けて出発した。僕は「中国なんだから、のんびり行かなくちゃ。」と自分に言い聞かせ、次なる目的地大理を目指した。