FUNKY MONKEY TRAVELERS

CROSS THE MIDDLE EAST 06 -中東旅行記-

6.ホモ・セクシャル

ホモ・セクシャルと女好きなシリア人

ホモ・セクシャルと女好きなシリア人

アレッポのスークをブラブラと歩いていると、二人のアラビア人に声をかけられた。カフィーヤと呼ばれる男性用のスカーフや民族衣装を売っている商人。商売人の割には全く商売気がなく、僕に物を売る意欲がない。暇つぶしに珍しい日本人に声をかけてみたというところか。一人は女好きのアラビア人。もう一人は女には全然興味のないホモ・セクシャル・アラビア人だった。全く正反対の2人が女の素晴らしさとホモの素晴らしさを熱っぽく語ってくれた。女好きの方は自慢顔に、ここで知り合った日本人女性のアドレスと送られてきた手紙を見せ、過去の武勇伝を語ってくれた。欧米の女性も好きだが、日本人女性が特に好きらしい。一方、ホモ・セクシャルの方は、アラビア人女性をさげすみ、男同士の世界の素晴らしさを説いた。「一度試してみろ、すばらしいぞ」って。そこを、女好きアラビア人に「こいつ馬鹿だよ。クレイジー」とからかわれても、全然気にしていない。
「これからどうするんだ?」とホモ・セクシャル。
「これからアレッポ城に行くつもりだ」と返すと、「ほう、今夜はどうだ?一緒にパーティーでもしないか?」と誘われた。
「いや、今日はトルコからやってきたばかりですごく疲れているんだ。ホテルでゆっくり休むよ。」
「じゃあ明日は?」「明日はパルミラに行くんだ。」
嘘だった。パルミラには明後日行く。しかし本当のことを言えばどうなることか。あの時のホモの目はギラギラしていた難攻不落のアレッポ城。やばいと直感的にわかった。
アラブ世界では、男性はひげを生やしていないと馬鹿にされる。というか、ホモ・セクシャルと見られてしまう。ほぼ毎日ひげを剃っていた僕は、ホモにとって格好の獲物だったに違いない。アラブ世界ではホモ・セクシャルが多いという話はよく耳にする。イスラムの厳しい戒律の中で、アラブ人女性との恋愛よりも手軽なホモの世界に足を踏み入れる若者は少なくないのだろう。
アレッポ城

アレッポ城

スークを抜け、向かった先はアレッポの象徴、アレッポ城。2.5キロに及ぶ大堀に囲まれた巨大城塞。12世紀の十字軍の遠征、13世紀のモンゴル軍の侵攻、14世紀ティムール群の侵略と数々の攻撃に耐え忍んだ難攻不落の要塞だ。小高い丘にそびえ立つその雄姿は見るからに堅固。遠くから見ていると、それほど高くない城壁だが近くへ進むにつれて、その巨大さに驚く。昔訪れたスコットランドのエディンバラ城のようだった。
夕食には肉を串刺しにし炭火で焼いた「シシカバブ」と焼きたてのアラビアパン「ホブス」を頬張った。トルコ・シリアと中近東に来てから主食はいつもカバブだった。どうしても炭火で焼いた肉の匂いにつられてしまい、ついつい同じものを注文してしまう。でも美味いものは美味い。肉好きの僕にはたまらない一品だった。
アレッポ市街

アレッポ市街

翌日もアレッポでダラダラと過ごした。アレッポという町はいくら居ても飽きない感じだった。見ず知らずのシリア人に喫茶店の中から呼び止められ、コーヒーを馳走になったり、モスクで一緒になって礼拝したりした。久々にゆっくりとしたスケジュールで行動し体調も万全。僕は満を持してパルミラへと足を進めた。
パルミラ遺跡。それは僕が今回の旅で最も楽しみにしていた場所だった。