2.飛んでイスタンブール
飛行機はシンガポール航空。当然、シンガポールで乗換る。しかも5時間近くのトランジット待ち。空港内を隈なく探索し、時間をつぶす。ようやくゲートが開き、イスタンブール行きの機内に乗り込んだ。僕の座席の隣には、ちょうど日本人の2人組みがいた。彼らも卒業旅行でトルコ・エジプトと旅行するらしい。染川君と白坂君。偶然にも染川君は僕のすぐ近所に住んでいた。機内ではローカルな話題で盛り上がった
関西空港を出発して28時間後、ようやくトルコ・イスタンブールに到着した。僕は久々のアラブ世界に心が躍った。日本とは全く違う別世界。ワクワクしてくる。ヨーロッパとアジアが混在するエキゾチックな街。世界の覇者と成りえた者だけがこの街を制することができる。ローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国。今回の旅の出発点としては申し分がない場所だ。

筆者(左)、白坂君(中央)、染川君(右)
モスクの美しさに浸っている僕たちのところへ、
「こんにちは!」と一人の中年のおじさんが話し掛けてきた。彼は日本語をかなり上手に話す。彼は、「トヨタ」の工場で働いていて、工場ではトルコ人の長を務めているという。なんだかうさん臭い。
「今日は休みで暇なので、イスタンブールの町を案内してあげますよ」という。
もし本当に案内してくれるというのなら、これほどありがたい話はない。
しかし、今までの経験上、こういう話には絶対乗らないほうがいい。何か裏があると思ったほうがいい。丁重に断ると、彼の息子が出てきて、名刺をくれた。「暇なとき寄って!」カーペットショップ○×△・・「やっぱり」と思った。侮るなかれトルコ・・
ガイドブックに載っていた公園近くの安宿に荷物を置き、長旅の疲れも感じずに街へと出かけた。独特のイスラムの匂いに体が興奮していた。

ステンドグラスが美しいブルーモスク