FUNKY MONKEY TRAVELERS

CROSS THE MIDDLE EAST 01 -中東旅行記-

Cross the Middle East 1995

1.すべての始まり

1995年は大惨事で幕が開けた。1月17日、阪神淡路大震災。深い眠りについていた僕を、今まで経験した事のない激しい揺れが襲った。大阪での震度は4。僕のベッドは、まるでトランポリンのように跳ねて、僕を目覚めさせた。幸い僕の家は全く被害には遭わなかったが、神戸に住む多くの友人や後輩が被災に遭った。死者6000人以上。地震から1週間ぐらいはずっと夢の中にいるような気持ちだった。こんなことが起こるなんて・・ この震災は戦後日本で最も悲惨な出来事であるだろう。僕の大学の先輩も被災に遭われ一人亡くなられた。

こんな状況の中で、僕は中東行きを決めた。僕たちの周りには卒業旅行に関して賛否両論があった。1.被災に遭って行けない人。2.自粛して行かない。3.ボランティア活動をする。そして、4.僕のように行く。
4月に就職を控えた僕にとって、1ヶ月以上の長期旅行はこれが最後になるだろう。確かに別に行かなくても困りはしない。ただ、自粛したところで、僕に何ができるのだろうと考えてみた・・・ボランティア? 確かにそれも選択肢の一つであった。しかし僕は旅を選んだ。どうしても行きたかった。こんな旅行もう二度とできない。後悔したくなかった。
2年前、イタリア・フィレンチェからローマに行く途中で大阪の高校の先生であるという人に出会った。先生は自転車でドイツからオーストリアを旅してきたという。先生との会話の中で、学生時代に世界中を旅行したという話が出てきた。先生の最もお薦めな場所、それはエルサレムだった。それまでの「エルサレム」と言えば、3大宗教の聖地で、いつも民族闘争の絶えない危険な場所というイメージが僕の中にあった。しかし、先生の影響でそれが一新された。「世界で最も美しい街だ」と先生は言う。その時、いつか行ってみたいと心に誓った。
そして、去年、モロッコ帰りに立ち寄ったシンガポールで「トルコ→シリア→ヨルダン→イスラエル→エジプト」と旅してきた女子大生に出会った。偶然にも僕と同じ大学&同回生だった。彼女の話を聞いているうちに、僕の中で「エルサレムは行ってみたいところ」から「次の旅先」へと変わっていった。
今回の旅は彼女と全く同じルート。完璧なアドバイスを受け、下準備は万全だった。
「絶対後悔のない旅にする」と心に誓い、僕はシンガポール行きの飛行機に乗り込んだ。最初の目的地は東西文明の掛け橋:トルコ・イスタンブール! すべての始まりだった。