9.たまには休息
翌朝、ボートに乗って、カナイマの町へと戻ってきた。ツアーは午前中で終了なので、そのまま次の目的地サンタエレナに飛ぶこともできるのだが、このままカナイマの町で一泊し、休養をとることにした。これほど素晴らしい景色のところを1泊もせずに飛び去るのは、とてももったいないような気がしたのだ。しかし、ちょっと体調がヘンだった。朝起きたときから、しゃがれ声で、あまり声が出ない。それに少し身体も熱っぽかった。吹き曝しの小屋で寝ていたので、風邪をひいたのかもしれなかった。まあ、休養日だったので、すぐに治るだろう。

湖畔でくつろぐ
晩は、この町唯一の高級レストランで食事をした。バイキング形式のディナーは、肉や魚、フルーツ、ケーキなどいろんなものがあり、必要以上に皿に入れてしまい、食べきることはできなかったが、なかなか満足のいく食事だった。
翌朝、サンタエレナに向かうため、朝から空港で待っていた。午前10時の出発なのに、全然セスナは現れる気配がない。待てども待てどもやってこないセスナ。

待ちくたびれる
「落ちてん、ちゃうん!」
イラチな大阪人は待つことが苦手だ。どうやら、同じツアーに参加していたポーランド人も僕たちと同じ飛行機に乗るらしかった。彼も呆れていた。結局、僕たちの飛行機がやってきたのは12時過ぎ、パイロットは詫びる気配もなく、ニコリともせず、事務的に僕たちの荷物をセスナに乗せた。
やっと出発。予想通りの小型セスナはカナイマを飛び立った。こんないい加減なパイロットの操縦で大丈夫なのか。一抹の不安がよぎる。しかし、この不安が間もなく、現実のものとなるのだった。