FUNKY MONKEY TRAVELERS

行くしかないだろVENEZUELA 03-ベネズエラ旅行記-

3.Fucking Trouble

ミッシェルの後について空港を出て、彼の知り合いらしき人の車に乗りカラカス市内のバスターミナルへと向かった。空港から市内へは車で1時間近くかかる。距離的にはもっと近いのだろうけど、よく渋滞している。このあたりは日本と変わりがない。ハイウェイを走り、車は市内へと走り込む。街は燦々と太陽が照り付け、赤やオレンジなどの原色系の広告や車が目立つ。ビルも人も多く南米でも屈指の大都会であることを感じさせる。この町並みに僕たちはワクワクしていた。
ミッシェルは市内の中心地にある小さなバスターミナルに車を走らせたが、大勢の客が並んでいるのを見て、「ここはやめよう、他のバスターミナルがあるから」とか言って、別のバスターミナルへと向かった。しかし、そこも大勢の客が列をなして並んでおり、「ここもやめよう。郊外に俺の友人が働いているバスターミナルがある。そこへ行こう。」と言い出した。
まあ、仕方がない。彼を信用していたし、そのとおり別のバスターミナルへと向かった。結局、空港を出発して2時間ぐらいかかって、市内からは少し離れたところにある大きなバスターミナルにやって来た。そこで、3人分のシュダボリバー行きのバスチケットを購入した。出発は午後5時。時間はあるけど、それまでに昼食をとって休憩していれば、いい時間になるだろう。ミッシェルに礼を言って、じゃあ、バイバイという状況だった。でも、彼からこんなことを言われた。
 「じゃあ、僕はこれで帰るよ。その前にドライバーに金を払ってやってくれないか。」
 そうだな。それもそうだ。長い間運転してもらったし、金を払うのは当然だろう。
 「いくら?」と気軽に聞いた。でも帰ってきた言葉は予想もしないものだった。
 「120ドル。」
 「ええ!!」

意気消沈

意気消沈

一瞬耳を疑い、紙に書いてもらって確かめた。僕とMaruは顔を見合わせ、やられたと声を揃えた。
僕の情報では、空港から市内までは約20ドル。今回はその倍ぐらいの距離と時間はかかっているだろうから、40ドル、高くても50ドルぐらいかなと思っていた。しかし、請求されたのは120ドルという金額。謀られたと思った。ミッシェルはドライバーと示し合わせて、カラカス市内を連れ回し、最後に法外なタクシー代金を請求しているのだろう。当然、僕たちは激怒した。「Fuck!」こんな汚い言葉、今まで使ったことなんてなかったのに、自然に口走っていた。”Fucking Trouble!”
そもそも、疲れているにもかかわらず、わざわざ夜行バスでシュダボリバーに行くことを決めたのは、金額的な理由からだ。飛行機なら50ドル。バスなら20ドル。30ドルをケチるため、というか、バックパッカーであるがための選択・・。それなのに、バスターミナルに行くのに120ドルも払っていたら、バスに乗る意味がなくなる。飛行機の方が安い。しかも、そのバスを薦めたのは、ミッシェルが所属する旅行会社の奴。みんなグルか。文句を言っても、ミッシェルはノラリクラリと答えるばかり・・アホか!
しかし困ったことにスペイン語圏のベネズエラでは、一般人には英語が全く通じない。払わないとゴネても、ミッシェルは警官を呼んで話を聞いてもらうと言うし・・そうなったら、言葉が通じない分、こっちの状況はより不利になる。ややこしいことには巻き込まれたくない。
殺人的に冷房の効いたバス

殺人的に冷房の効いたバス

結局、80ドルで和解した。確かに80ドルと言えば、そう大した金額ではない。実質40ドルほどをボラれただけかもしれない。しかし、それは相当不快なもの以外の何ものでもなかった。
判断ミス。初対面の相手を信用しすぎた。Maruはビデオの中で「やつはいい奴だ」と言ったけど、まんまと騙された。「ここは日本じゃない、南米なんだ。」そのことをすっかり忘れていた。
僕たちは気分を害したままシュダボリバー行きのバスに乗り込んだ。カラカスからシュダボリバーまでは約600キロの道程だった。意外と綺麗なバスに安心したが、車内は異常なほど冷房が効いていた。めちゃくちゃ寒い。一時休憩の時にレインウェアの上下を着て、寝袋に包まって、寒さを凌いだ。車外は暑いのに車内は寒い、寒くてなかなか眠れない。なんてバスなんだ!まったく。シュダボリバーに着いたのは、夜中2時だった。なんてクレイジーな日だ。
こうして、ベネズエラ第1日目は眠れない夜となった。