FUNKY MONKEY TRAVELERS

NEPAL TREK 05 -ネパール旅行記1998-

<h4>Sunrise</h4>
深夜4時、僕とクルはプーンヒルで日の出を迎えるために頂上を目指し出発した。まだ、辺りは真っ暗で、気温も低い。持ってきていたウィンドブレーカーをはおり、ライトで道中を照らしながらの登山となった。30分ほど登ると、次第に地平線からオレンジ色の光がゆっくりと天と地を照らし始める。日の出までは、もう間もなくだろう。数十人の旅人が一直線に並び細い山道を登っている。アメリカ人、ドイツ人、フランス人、オーストラリア人、日本人・・・いろんな国のやつらが、アンナプルナの日の出を見にやってくる。彼らも僕と同じように、都会や社会に疲れ、ヒマラヤという大自然を感じて、心を癒すために、はるばるこんな遠くにまでやってきたのだろう。
疲れが残っている筋肉痛の足でも、早く頂上に着きたいという一心で一気に駆け上った。出発から約1時間でプーンヒル(3198m)の頂上に着いた。丘という名のとおり、頂上は比較的広く、山の上にある「原っぱ」という感じだが、見晴らしは最高。薄明かりの中でも、北西の方向には、アンナプルナの山並みがぼんやりと見え、北東の方向には、ダウラギリの大きな山並みが見える。空は次第に明るくなっていく。もうすぐ夜明けだ。僕は持ってきた三脚を取り出し、そこにカメラをセットした。これならば雄大なパノラマ写真が取れそうな気がする。カメラのファインダーを覗き込み、日の出を待つ。
しばらくすると、強烈な光の塊が地平線上に現れた。一瞬で空は青く輝き、アンナプルナの山々が光に照らされ、黄金に輝き始める。辺りから大きな歓声が湧きあがる。
「まさに神! 神が現れた。」
僕はまたそんな印象を抱いた。地球を舞台に、太陽とヒマラヤが主演する「日の出」という名のドラマ。毎日必ず行われている当たり前のドラマに僕は深く感動した。そして、広大な山々を一望し、自分自身が人間としてとても小さな存在であると認識した。地球は広い。山は偉大だ。

アンナプルナ

アンナプルナ

ダウラギリ

ダウラギリ

プーンヒルの頂上にて

プーンヒルの頂上にて

プーンヒルの頂上にて 日の出ともに、さっきまでうっすらと見えていたアンナプルナとダウラギリの山並みが大パノラマとなって目の前に広がる。僕はカメラのシャッターを切ることをしばしわすれ、美しい山並みに見とれていた。その美しい山並みの中でも、際立って美しく思えたのは、北西の方向に見えるダウラギリ1(8167m)だった。ガイドのクルもこのダウラギリが一番好きな山らしい。どっしりとした男らしい山並み、山頂部の氷河が朝日に照らされ、なんとも美しい。それまでの苦しい道程など、すっかり忘れていた。登山とはそんなものなのだろう。
僕たちは次の目的地タトパニを目指し、歩き始めた。