FUNKY MONKEY TRAVELERS

NEPAL TREK 04 -ネパール旅行記1998-

Hard Place

ティケドゥンガを目指し、僕は歩き始めた。比較的大きな渓流沿いに緩やかな登りが続く。ガイドのクルの荷物は僕の荷物に比べると軽く、僕にとっては楽勝に思えた。それに比べ、重い荷物を背負ったクルは辛そうだった。
天気に恵まれ、空には雲ひとつない。マチャプチャレを正面に眺めながらのトレッキングは軽快だった。途中、オーストラリアの女の子2人と一緒になったが、僕たちのペースは速く、すぐに彼女たちを抜いてしまった。「全然大したことない」と僕は簡単に考えていた。しかし、そんなお気楽に考えていられたのは、しばらくの間だけだった。コースは徐々に急な登りになり、僕の体力とペースは次第に落ちていく。僕は30分ごとに水分を補給し、休憩を取りながらも、なんとか登っていた。山を甘く見ていた。トレッキングと言っても、ここはヒマラヤなのである。僕にとっては、クルの荷物でさえ、大変な重荷だった。そんな僕をクルは励ましながら、僕のペースを合わせて、登ってくれた。

ティケドゥンガの宿屋

ティケドゥンガの宿屋


4時間後、ようやく初日の目的地であるティケドゥンガ(1577m)に到着した。美しい棚田に囲まれた農村。何となく日本の田舎に似ている。僕は宿屋のベッドに倒れこむように横になった。情けない。初日は体力を温存する意味で、あまり無理をしない楽な行程になっていた。にもかかわらず、体はヘトヘトだった。
翌日は、前半のメインポイントであるゴレパニ峠を目指した。前日の疲れが、まだ体に残っていて、体のあちこちが筋肉痛で痛い。しかし、立ち止まるわけにも行かない。僕の行く手には、最大の難所である標高差約600mの急な登りが待ち構えていた。途中、アンナプルナサウスが純白の美しい姿を見せるが、美しい景色を眺める余裕などなく、ひたすら登りつづける。昨日は経験しなかった急な登り坂、30分歩いては、へたり込んで、また30分歩く。それを何度も繰り返した。一緒に登っているオーストラリアの女の子もヘトヘトになっていた。彼女たちには負けたくない。男としてのプライドが先へ先へと前に進ませる。スキー場の斜面ような急な登りも、やがて終わり、幾つかの村を抜けて、やがて目的地のゴレパニ(2853m)に到着した。出発から約7時間程かかった。
美しい棚田が広がる

美しい棚田が広がる


ゴレパニは比較的大きな村で、トレッキング客を対象とした宿屋で形成された村である。ここからアンナプルナの展望地として有名なプーンヒル(3198m)までは1時間ほどなので、アンナプルナをトレッキングする大半の客がゴレパニにやってくる。僕は宿屋で、久々のシャワーを浴び、暑い紅茶を飲んで、疲れを癒した。明日はプーンヒルで日の出を見る。
左からクル、オーストラリアの女の子

左からクル、オーストラリアの女の子