FUNKY MONKEY TRAVELERS

Nepal Trek 00 -ネパール旅行記1998-

Nepal Trek 1998

Prologue

1998年夏、とても暑い日が続いていた。大阪の夏は日本でも一番熱いと言われている。その灼熱の暑さ中で僕はランニングをしていた。それも結構な上り坂が続くコースを。理由は二つ、日頃の体力不足を少しでも解消するため。もう1つは、夏休みの冒険旅行のためであった。「ネパール・トレッキング」

世界の屋根と呼ばれる「ヒマラヤ」を有するネパールには、エベレストに代表される8000~7000m級の山々が数多くある。そんな山々が連なる風景を眺めてみたいと思うのは、僕だけではないだろう。また、ネパールは1970年代のヒッピーの聖地と言われた「カトマンズ」や桃源楼と言われる「ポカラ」など、魅力的な観光地も数多い。
何より、ネパールへの旅に興味を湧かせてくれたのは、2年前の南米ペルー旅行で出会った人の一言だった。僕はクスコの空港で、リマ行きの飛行機を待っていた。そこに一人の日本人のおばさんが話しかけてきた。彼女は、東京に住む50歳ぐらい年配の方で、世界のいろんな所を旅しているらしい。彼女が僕にこう言った。
 「あなた、ネパールに行ったことはある?」
 「ないです」
 「そう。それなら是非行くといいわ。街の雰囲気も山もすべてが素晴らしいわよ。わたしも何度となくネパールには行っているの。あなたなら絶対に気に入るはずよ。いつかネパールに行って」
僕は旅なれた人のこんなセリフに弱い「あなたなら絶対気に入るはずよ」。出会って1時間程なのに、何の根拠をもって行ってくれたのかわからないが、絶対気に入る場所らしい。昨年は仕事の都合で、どこにも行けなかった。だから、今年は何としても行こうと決めていた。そして、その候補地として真っ先に頭に浮かんでいたのが「ネパール」。いま行かなければ、ずっと行けないような気がした。
昔のヒッピーみたいにネパールでゆっくりと過ごす。それも1つの旅だろう。しかし、僕はまだ若い。この体力があるうちにヒマラヤの山々をこの目で見てみたかった。そのためにはトレッキングしかない。ほとんど山登りの経験のない僕にとっては、厳しい旅になるだろう。そのため、体力作りをして、できるだけの準備はした。

9月下旬、僕は職業人としては破格の2週間という休暇をもらい、カトマンズへと飛び立った。