Perito Moreno
翌朝、観光バスに乗って、ペリトモレノ氷河に向かった。ウォーキングツアーといっても、国立公園内の遊歩道を歩く程度のものだから、ファミリーや年輩の人も多い。
このウォーキングツアーの他に、氷河トレッキングツアーというのがある。アイゼンを付けて、氷河の上を実際に歩いたり、滑ったりするのがトレッキングツアー。情報によれば、これがかなり面白いらしい。ただ、かなり危険で、値段が高い。今回は嫁を連れているし、僕らの旅行会社にはその手のツアーがなかったしで、ウォーキングツアーをチョイスしたのだ。

手前の展望スポットからのペリトモレノ
氷河の手前でバスを降りて、海沿いに歩きながらガイドさんが地形のことや植物のことを説明してくれる。ゆっくりと歩きながら、氷河へと向かう。
そして、氷河の展望ゾーンへ。

崩落する氷河
高さ60m、幅5kmというスケール。これだけのものが一日に2mも前進するという。見ていると、あちらこちらで、氷河の崩落が起こっている。ゴォゥゥーという地響きのような轟音が聞こえたかと思うと、大きな氷の塊がスローモーションのように湖に沈んでいく。そして、白い水柱が立ち上がる。海面も大きくうねる。こんな一大スペクタクルが5分に1度ぐらいの間隔で頻繁に見られるのである。
僕は崩落の決定的瞬間を撮るために、カメラに望遠レンズをセットし、ピントを無限遠に合わせた。何せ、広いのであらかじめ場所を特定しておくことは不可能。氷が割れる音を聞いて、瞬時に場所を探し、カメラを向けて、構図を決め、シャッターを切る。スポーツ写真みたい。だが、時間的な制約もあって、巨大な崩落の決定的シーンは撮れなかった。残念。でも、この目では何度も見た。

圧倒的なスケールに驚くばかりのペリトモレノ氷河
その翌日、僕たちはバスでエルチャルテンに向かった。パタゴニアの名山フィッツロイ。世界百名山の一つを目指しての過酷なスケジュールだった。